「ED16形」鉄道省型電気機関車
実車:
鉄道省と民間企業が力を合わせ初となる省型電機「EF52形」を1928年に完成させます。「EF52形」は国産電機の基準を確立した名機で性能も良く、「EF52形」以降の省型電機は全て、外見は違うけれども載っている機器は同じで「EF58形」まで続きます。
中央線と上越線の電化用にD型機関車が採用されます。優秀な性能だった「EF52形」をD型にして「ED16形」を1931年に18両が製造。1~5号機が中央線に、6~18号機が上越線に投入。中型機ながら使い勝手の良い機関車で重宝され以後、各線区を渡り晩年は青梅・南武線で過ごします。登場から半世紀に渡り活躍した息の長い機関車でした。
模型:
各メーカーから多く製品化され、模型でも手頃な大きさから重宝されます。Nゲージでは製品化が遅くワールド工芸から発売され、のちにマイクロエース、そしてKATOという順で発売されます。
ワールド工芸は真鍮製で、何回か改良して出していますが工芸品のため走行には向いていません。マイクロエースは侮れない造形で、ファンに人気が強い名作です。満を持してKATOが市場に送り出します。抜群の走行性能、シャープなプラ成形と・・
◆KATO
まさかカトーからこの機関車が製品化されるとは思いませんでしたが、その後の「青梅・南武線シリーズ」の展開で理解できます。美しいプラ成形ならではの出来栄えと折り紙つきの走行性能は流石です。以下見ていきましょう。
●側面
プラ成形が美しくモールドも立体感があり、補強帯の段差とリベットの表現がとても良いです。
▲D型なので、アンバランスな補強帯の並びが特徴な機関車。すぐに1ENDと2ENDが分かります。
●前面
全体面で見れば流石はカトーとなるのですが、前面形状はマイクロエース製に軍配が上がります。(ライトはご愛敬)「EF10形」でも紹介しましたが、窓と扉は大きさのバランスが大切で、1つでも狂うとおかしくなります。カトーでは晩年時を再現していますので、窓枠がHゴムのモールドと印刷がされています。屋根のR角もおかしいような?でもカトーらしく纏まっています。