ピットロード W191「1/700 米海軍 戦艦 BB-44 カリフォルニア 1945」
ピットロードから待望の「カリフォルニア 1945」が発売されました。キットはトランぺッター製そのもので、取扱説明書とカラー塗装図とパッケージは日本語になったのが変更点です。
◇模型の趣
「カリフォルニア」は1941年12月8日の真珠湾攻撃にて大破着底します。後に浮上させ、米本土へ自力航行してピュージェット・サウンド海軍工廠で大改修を受けます。この改修で装甲強化や対空砲増設および火器管制システム装備を施し、新型戦艦「サウス・ダコタ」似た艦容となりますが、むしろ対空兵装の面では新型戦艦(アイオワなど)に勝っています。同型艦のテネシー、ウエスト・バージニアと共に、アメリカ海軍首脳(司令部や高官)には特別扱いされました。この「カリフォルニア」の艦容こそが、米海軍が理想とする完成された戦艦の姿となります。
素で組み立ています。中々よい艦影で、特徴となる近代的な檣楼(艦橋)が印象的です。
後部から臨む。軍艦は後ろ斜めから見る姿は美しいですが、本艦も美しいシルエットで魅了されます。
側面から見ると新型戦艦のサウス・ダゴタと良く似ていますが構造物の構造が違います。先に発売された改装ウエスト・バージニアとも別パーツ化しており、この「カリフォルニア」も新規パーツとなります。
頂部にSK-1対空捜索レーダーが目立ちますが、その下は主砲用射撃レーダーMK8。この艦の特徴となる艦幅(34,7m)のバルジ部分を美しく再現。バルジの張り出しと艦首部にわたるテーパーラインが見ていて楽しいです。
艦首のクリッパーバウやバルジの張り出しも見事。12,7mm連装両用砲の出来が良くない点が惜しまれます。
艦尾は後部艦橋とマスト、12,7mm連装両用砲を管制するMk.12射撃指揮装置、カタパルトとクレーンとともに良い造形です。
均等に取れた上部構造物と各種兵装配置。
◇塗装後製品は大戦末期の1945年となりますので、旧式戦艦グループでは「メジャー21」と呼ばれるネービーブルーの単色迷彩となります。「メジャー21」により重厚感溢れる黒鉄を彷彿させます。これこそが戦艦らしく、小スペースながらよくまとまった兵装の配置は新型戦艦に勝る鉄壁なものです。今まで製品化に恵まれなかった製品ですので、ぜひともチャレンジして頂きたいキットです。